セミナーのお知らせ 18-07

タイトル 開弦の場の理論における任意枚数の多重ブレイン解の解析的構成

講師: 畑 浩之 (京都大学)

日時:2019年2月15日(金) 17:00-

場所:B1207教室

概要: Witten型開弦の場の理論において、任意枚数の多重D25ブレインを表す厳密解の構成法を与える。(N+1)重ブレイン解は[N/2]個の実数パラメータを持ち、解に対する自然な要求からパラメータが有理数として決定される過程を説明する。

セミナーのお知らせ 18-06

タイトル Superstring phenomenology: コンパクト空間と世代構造

講師: 小林 達夫 (北海道大学)

日時:2018年12月7日(金) 17:00-

場所:B1207教室

概要:コンパクト空間上の超弦理論について、簡単に解説し、
どのように素粒子物理学的性質が現れるかを概観する。
さらに、コンパクト空間の幾何学的構造や対称性と
クォーク・レプトンと世代の構造の関係について議論を行う。

 

セミナーのお知らせ 18-05

タイトル D項による超対称性のダイナミカルな破れ

講師: 丸 信人 (大阪市大理)

日時:2018年11月9日(金) 17:00-

場所:B1207教室

概要:D項による超対称性のダイナミカルな破れを起こす模型を紹介する。超伝導におけるBCS理論や南部・Jona-Lasinio模型と同様に、ギャップ方程式の非自明解としてD項の真空期待値が生成されることを議論する。

セミナーのお知らせ 18-04

タイトル カイラルゲージ理論のゲージ対称性を保つ新しい正則化

講師: 濱田 佑 (京都大学)

日時:2018年7月20日(金) 17:00-

場所:B1207教室

概要:標準模型はカイラルゲージ理論であるが、従来のカイラルゲージ理論の摂動論的正則化は、たとえ理論がanomaly-freeであったとしてもゲージ対称性を破ってしまうことが知られている。そこで我々は次の2つの方法を組み合わせてゲージ対称性を保つ正則化を開発した。一つ目に5次元のドメインウォールフェルミオンに対してPauli-Villars場を導入し、ゲージ不変に正則化された4次元のカイラルフェルミオンを得た。第二にゲージ場に対してのみ次元正則化を適用し、4+\epsilon 次元に拡張した。

本講演では、我々の方法において全ての紫外発散が正則化され、もとのLagrangianにくりこめること、またfermion number anomalyが正しく再現されることを示す。最後に、この正則化を用いることで、標準模型(特に電弱セクター)の輻射補正の計算が従来よりも劇的に簡単になる可能性を議論する。

 

セミナーのお知らせ 18-03

タイトル 重力波による隠れた質量起源の検証可能性

講師: 青木 真由美  (金沢大学)

日時:2018年7月13日(金) 17:00-

場所:B1207教室

概要:電弱相転移の起源や暗黒物質の存在は、標準模型を超える物理の鍵となる。本セミナーでは、隠れたセクターにおけるカイラル対称性の力学的破れによって、素粒子の質量起源と暗黒物質の存在を同時に説明するスケール不変性に基づく拡張模型について紹介する。さらに、隠れたセクターのカイラル相転移で生成される重力波による模型の検証可能性について議論する。

 

セミナーのお知らせ 18-02

タイトル Composite Higgs from Sp(2N) gauge theories

講師: Ed Bennett (Swansea University)

日時:2018年5月28日(月) 17:00-

場所:B1207教室

概要:In this talk, I will first motivate the desire to explore explanations for the Higgs boson beyond the Standard Model’s. I will then outline some of zoology of such models that exists, focusing in particular on Composite Higgs theories. After giving a brief introduction to lattice techniques, I will then present some recent results from an ongoing investigation of the Sp(2N) family of theories, including the spectrum of mesons and glueballs, and if time allows, draw comparisons with effective field theory.

 

セミナーのお知らせ 18-01

タイトル フレーバ対称性とCPの破れ

講師: 清水 勇介 (広島大学)

日時:2018年5月18日(金) 17:00-

場所:A204教室

概要:通素粒子標準模型はヒッグス粒子の発見により、成功を収めた。
しかし、標準模型では素粒子の質量階層性と世代混合を自然に説明することができない。 この問題を解決する一つの方法として世代に対してフレーバー対称性を用いることで、 レプトンの大きな世代混合を導くことができる。本セミナーでは、フレーバー対称性の導入から、 レプトン模型の紹介をする。また、最近のニュートリノ振動実験の精密測定の結果を説明する模型を提案し、 将来実験で観測されるレプトンセクターのCPの破れの大きさや、 ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊の有効質量について予言する。

セミナーのお知らせ 17-06

タイトル Special Grand Unification

講師: 山津 直樹(京都産業大学 益川塾)

日時:2017年12月1日(金) 17:00-

場所:B1207教室

概要:通常用いられる正則部分群だけでなく特殊部分群を用いた新しいタイプの大統一理論“特殊大統一理論”を議論する.この枠組みでは低エネルギーでカイラルゲージ理論である標準理論を実現するためには四次元の量子異常の相殺条件から標準理論や通常の大統一理論で自由に選ぶことのできる世代数に制限が得られる.本講演ではまず大統一ゲージ群SU(16)群が特殊部分群SO(10)へ自発的に破れる場合の四次元SU(16)特殊大統一理論についての成功と失敗を述べた後で,六次元オービフォールド時空上でのSU(16)特殊大統一理論について次の三つの内容を説明したい;(1)六次元のSU(16)の16次元表現のワイルフェルミオンが四次元の標準理論のワイルフェルミオンに対応付けられる.(2)三世代の標準理論フェルミオンが存在する場合にはバルクと固定点での全ての量子異常が相殺される.(3)余分なエキゾチックカイラルフェルミオンが存在しない.本講演は主にarXiv:1704.08827;1708.02078に基づく.

セミナーのお知らせ 17-05

タイトル Swampland conjectures and cosmological implications

講師: 野海 俊文 (神戸大理)

日時:2017年10月27日(金) 17:00-

場所:B1207教室

概要:As is captured by the word “string landscape,” an almost infinite number of low-energy effective theories may be described in the string theory framework. However, recent studies have revealed that there exist a certain class of consistent-looking IR effective theories which are not realized in string theory, or more generally in a consistent UV theory of quantum gravity. Such theories are said to live in the “swampland” and clarifying the boundaries of landscape and swampland is an important issue in both the theoretical and phenomenological contexts. In this talk, I will review recent swampland arguments and their implications to cosmology.

セミナーのお知らせ 17-04

タイトル 余剰次元理論からみた素粒子標準模型の謎

講師: 坂本 眞人 (神戸大学大学院)

日時:2017年8月4日(金) 17:00-

場所:B1207教室

概要:素粒子物理における標準模型は、ヒッグス粒子の発見によって、全ての登場人物がそろった。標準模型は、数々の実験的検証に耐え、ミクロな世界を記述する理論として確固たる地位を獲得している。しかしながら、標準模型を最も基本的な理論とみなす研究者は少ない。なぜなら、標準模型には理論の枠内で説明できない、数々の謎が残されているからである。本講演では、標準模型を越えた理論の有力候補である、余剰次元をもつ高次元理論の立場から、標準模型の謎がどのように解決されるかを説明する。