タイトル 4次元超対称非線形シグマ模型の定式化におけるアノマリーと有効ポテンシャルの解析
発表者: 近藤 綾さん (奈良女子大学)
日時: 2021年2月19日(金) 13:00-
場所: G201教室
概要:4次元超対称非線形シグマ模型の相構造を明らかにする研究を行った。超対称非線形シグマ模型は,ゲージ化された線形模型として定式化できるとされているが,双方の量子等価性において,隠れた局所対称性に量子異常が存在することを指摘する。4次元の超対称CPN-1多様体上に基づく模型においてWess-Zumino項を加えて量子異常を考慮した有効ポテンシャルの解析を行う。量子異常をもつゲージ理論の非線形模型への量子化の手順を適応することで、精密にWess-Zumino 項を導出する。結果として,線形化された模型においてグローバル対称性が従来の線形化された模型よりも小さくなることがわかる。さらに1/Nリーディングオーダーでこの線形模型の有効ポテンシャルの解析を行った結果、弱結合領域では超対称性を保つ安定な真空が存在する一方で、強結合領域では安定な真空が存在しないことがわかった。