ブースト不変な一次元膨張をするゲージ理論プラズマの
AdS/CFT対応による記述
講師: 中村 真 氏 (京大理)
日時:2009年6月5日(金) 17:00--
場所: B1207教室
概 要:加速器により重い原子核を衝突させて生成されるクォークグルーオンプラズマ(QGP)は、膨張しながら時間とともに密度や温度が下がっていく。この膨張の最も単純なモデルがブースト不変(大雑把には、膨張軸方向への並進不変性)な一次元膨張である。ここでは、このような膨張をするゲージ理論プラズマをAdS/CFT対応を通じて重力理論で記述するための枠組みを、初めて矛盾なく構成した。重力理論ではゲージ理論プラズマはブラックホールを用いて記述できるが、今の場合は時間依存性のあるブラックホールを用いてプラズマの巨視的振る舞いが記述される。さらにプラズマの粘性などの輸送係数は、重力理論に裸の特異点(物理的発散)が存在しないという条件を課すことにより一意に計算される。プラズマの流体力学では輸送係数は計算できなかったが、AdS/CFTではプラズマの流体的振る舞いと輸送係数の双方が同時に計算できる点が今までに無かった特徴である。
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